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第80話 母の見舞いと疑念⑥

Penulis: 花柳響
last update Tanggal publikasi: 2026-01-20 18:01:41

「……例の件、頼みましたよ」

 低く、よく通る声が廊下に落ちる。

「はい、天道様。……しかし、これ以上隠し通すのは、ご本人にもお嬢様にも……」

 担当医が言い淀み、視線を泳がせた。

 隠す?

 何を?

「余計なことは言わなくていい」

 征也の声が、鋭い刃物のように医師の言葉を断ち切った。

「莉子には何も知らせるな。彼女に余計な不安を与える必要はない。……すべて、俺がコントロールする」

「……はっ、承知いたしました。データの改竄……いえ、調整の方も、指示通りに」

「金はいくら積んでも構わん。……絶対に、こちらの管理下から出すな」

 征也が懐から取り出したのは、厚みのある茶封筒だった。

 院長の胸ポケットに、それを無造作にねじ込む。

 膨らみきった封筒の厚み。
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  • 没落令嬢の家政婦契約 ~冷酷CEOは、初恋を逃さない~   第50話 ブティックでの洗礼③

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